【レビュー】MetaQuest3からVive Focus Visionに移行してみた。【Q&A付き】

さて、ブログをしばらく留守にしている間、
MetaQuest3からVive Focus Visionに着々と移行を進めていた、えぞっちです。

今回はMetaQuest3ユーザーだった私が、VIVE社製のVive Focus Visionに乗り換えて、
よかった点困ったことをサラリとまとめていこうと思います。

情報共有という意味も兼ねて、Q&A方式で後半につまづいた事の解決方法などもまとめていくので、是非見ていってくださいねっ!

結論から言うと…

大抵の人はQuest3で十分
フェイストラッキングするなら移行の価値あり

ですっ!

本当にフェイストラッキングをするために、Quest3の利便性や安定性を手放してでも、
顔を動かしたい!!!
というかなりエンドユーザー向けの製品かなといった感想、では早速製品について書いていきますねっ!

※製品提供ではなく、自腹なのでバシバシ本音で書いていきます。
あとちょっと長めになります!

Vive Focus Visionについて

製品名:Vive Focus Vision
価格:16万9000円
解像度:片目2448 x 2448
リフレッシュレート:90 Hz(Beta版ソフトで120Hz出せるっぽい)
レンズフレネルレンズ 
マイク・スピーカー:内蔵(3.5mmイヤホンジャックあり)
製品の特徴自動IPD調整アイトラッキング対応・口もトラッキング(別アダプター必須)・VIVE Ultimate Truckerとの親和性良好・バッテリー入れ替え可能(本体側で一時的な給電可能)・眼鏡スペーサー同梱

ザックリとこんな感じでしょうか!

さて、まず機能がかなりモリモリなので詳しく一個づつ解説していきますね!

Vive Focus Visionの良い点!

自動IPD(瞳孔間距離)調整機能は中々良い!

HMDを被ると、目の前に青い点を見つめるように促されます、それをぽけーっと見ていると、
レンズが横にウィーンっと音を立てながら自動で最適な見え方に調整してくれます!

私は眼鏡を作った際に瞳孔間距離を計っていたので値を手動で設定しましたが、以外と適正な値が分からない人が多いと思うので嬉しい機能、ただ設定から毎回計測されるのをOFFにしておかないと被る度に計測されるので注意っ!

フェイストラッキング対応!!(口周りは別アダプター必須)

Quest3から移行した最大の決定打ですっ….

肝心のトラッキング精度は、かなり良くてアバターの顔がしっかり動きます
ただ、事前準備が大変すぎます

アバターの顔を動かすのに、まずunityでアバター自体に顔が動くように(パーフェクトシンク)する設定を自分でやるのは私は諦めました…
あとはソフト面でもVRCFaceTrackingというソフトの導入や、口トラッカーに関しては別売りなので更に追加費用がかかります。

トラッキング精度は比較対象が無いので、どのくらい良いっ!
と明確には言えませんが、かなり動きはいいですね、フレンドさんにビックリしてもらえました!

バッテリーの入れ替えが簡単

後ろのクッションはマグネットで簡単に外せます、バッテリーも両端の爪を押さえるとすんなりと外れるので、入れ替えが簡単です!

後述しますが、バッテリー持ちが相当悪いので、真面目にVRで遊ぶとなるとバッテリー2個運用は必須になってきます
1個を使いながら1個を充電していくスタイルになるので、この交換のし易さはGood!

前後の重量バランスがかなり良い!

外部の追加アタッチメントが必要ないのは嬉しいですね。

バッテリーが後ろに付いているので、それでバランスが取れている印象、4日ほど使用していますが、頭や顔が痛くなる事はまだ起きてないです!

HMDの四隅にカメラが付いていて、コントローラーの追従性が良い!

Quest3は前の下側にカメラが付いているので、コントローラーを上に上げた際などのトラッキングが安定しない印象でした。

しかしVive Focus Visionは四隅にカメラがついていて、手を後ろに回さない限り追従性はかなり高いです。

VIVE Ultimate Truckerの扱いが凄く簡単になる!

Quest3などでVIVE製のアルトラを使う際はキャリブレーションで∞を描いたり、ズレてしまって戻すのにソフトを落としたりと、かなり手順が多く、また安定性も万人にお勧めするのはちょっと…となっていたのですが…

Vive Focus Visionにアルトラのドングルを差すと、すんなり位置を認識、トラッカーの付けている部位を設定したら、もう普通に使えます!

初回接続時に部屋の中を歩くキャリブレーションがありますが、以降は起動するだけでOK!
フルトラ勢の私としては、VRをスタートする敷居がグッと下がったので評価点高いですっ!

さて、ここまでは良い点をまとめてみましたが、悪い点も結構あります….

Vive Focus Visionの悪い点!

値段が高い、Quest3が2台買えるくらい高い

まず値段が16万9000円と全然可愛くない金額です。
ここに追加バッテリー・口周りのトラッキングのアダプターの費用、フルトラならその他費用もかかります。

終売になっていますが、Quest Proの方が安価にフェイストラッキングを導入できますね….

そもそもこのクラスのHMDを検討される方はQuest3の汎用的な性能に満足できなかったり
特定の用途目的で購入されると思うのですが、やっぱり高い。

バッテリーの持ちが2時間前後と持たない

VRで遊んでいると、みるみるバッテリー残量が減っていきます!!
体感で1時間弱でほぼバッテリーの残が無くなりかけています….

ですので、バッテリー2個運用は必須だと個人的には思っています。

有線ケーブル(これも別売り)であれば、給電しながら出来るのでバッテリーは減らないのですが、無駄にケーブルが太くてしっかりしてて、フルトラで有線接続しながら、立ったり座ったりはあまり現実的ではないです。

充電が専用アダプターからしか出来ない点も難しい点ですね…

コントローラーにリングが付いている

Quest2などには付いていた、コンロトーラーをトラッキングする輪っかの部分。

意外とぶつかったり、なにかと邪魔になって没入感が下がる要因です…

私はDiver-Xさんのcontactglove2 + magnetra2を導入することで解決しました
(後日レビュー記事あげますっ!)

レンズがフレネルレンズで周りの溝が気になる

これが一番Quest3から変えて違和感を感じた部分ですね。
レンズ周りに溝が無いパンケーキレンズが如何に性能といいますか、塩梅がいい製品かと実感させられました。

ここで言う、フレネルレンズとパンケーキレンズの違いですが…
フレネルレンズ:レンズが分厚く大型になりがち・レンズの周りに溝があり結構気になる・スイートスポット(綺麗に見えるレンズの範囲)が狭い
パンケーキレンズ:薄型のレンズでコンパクト・滑らかなレンズで視界がクリア・スイートスポットがとても広い

で、Vive Focus Visionは残念ながらフレネルレンズ….
16万円もするから正直ここはパンケーキレンズを採用して欲しかったと本当に思います。
そしたら正直完璧な製品になってた….

ただ、誤解して欲しくないのが「フレネルレンズだから使い物にならない」と言うわけでは無いです、4日間使っていますがQuest3が綺麗だと思いつつも正直慣れの部分が大きいかなと個人的に体感しています。

快適に使うための設定方法がかなり難しい(環境によって違うかも)

最後にまとめるQ&Aにも記載しますが、私の環境だとルーターの5Ghz帯のチャンネル帯域を80MHzに固定しないと、無線でSteamVR起動時にFPSが1桁しか出なくてVRは遊べませんでした。

これが、偶々Xで見かけたポストを参考にしたところ3日間悩んでいた無線接続時の問題が解決して、やっとまともに運用できるレベルになりました…
まずこの製品の日本語のレビューが極めて少ないのも敷居を上げている部分かなと….

また環境次第では別の問題が生じる可能性や、ルーターの設定に入って中身をいじるなど、敷居の高い操作を要求されるのが厳しい部分だなと感じました。

Quest3の様にポンと繋げて、はい遊べます。
が出来ないので、ご購入を検討されている方は余裕を持った購入をおすすめします!

結局どんな人にVive Focus Visionがオススメなのか?

簡潔に書くと、

・フェイストラッキングを導入したい人
・フレネルレンズでもOKな人
・VIVE Ultimate Truckerを気軽に使いたい人(使わなくても遊べます)
・金額が高くても許容できる人
・トラブルが発生した際に自己解決できる人

この4つないし、5つに当てはまる方は他HMDから移行ないし、シチュエーション毎に使い分けていくのが良いと思います。

しかし、アバターのフェイストラッキングの対応、設定の最適化などなど、
全て攻略した際のVR体験はVRで初めてコントローラーを動かしたら、アバターの手が動くっ!!
と感動していた最初の頃の様な「新たな扉を開いた!!」的な感覚を感じることが出来ました!

個人的には安定して運用出来はじめてから、初めて製品価値を感じましたし、
レンズもフレネルレンズですが正直慣れの側面が強く、確かにパンケーキレンズの方が綺麗ではありますがこういう物だと割り切るのがいいと思います。

私がぶつかった問題をQ&A方式で記載しておきます!

Q.Wi-Fiに繋がらない!

A.対応しているWi-Fiの規格が6Eまでなので7には繋がりませんでした、ルーターの設定でWi-Fi7を切れるか試してみてください。

Q.Wi-Fiの6Ghz帯に繋げたらVIVE Ultimate Truckerが使えない。

A.VIVE Ultimate Truckerを使う(HMDにドングルを差して)の場合は5Ghz帯に接続してください。

Q.HMDを被る度にIPD調整されるのと止めたい

A.設定から毎回計らない様に出来ます!

Q.VIVE Hub経由でSteamVRを起動するとカクつきが酷くプレイ出来ない。

A.ルーターの5Ghz帯のチャンネル帯域幅を80MHzに固定してみてください、私の環境では劇的に改善して運用できるようになりました。

Q.VRChatでアバターの目や口が動かない

A.アイトラは作者様の方で対応していればとりあえず動く物が複数ありました
 ただ、非対応の製品や口周りを動かす場合は自力での設定か、boothに売っている対応アバター品を導入する必要があります。

Q.Type-Cから本体経由でモバイルバッテリーなどから給電出来るか?

A.出来ませんでした、出力を大きい物にしてもダメだったので、バッテリー直のACアダプターか、専用の有線ケーブル経由の接続しか給電されなかったです。

Q.VIVE Ultimate Truckerのドングルを差すと通信状況が不安定になる

A.ドングルに付属している延長コネクターを使ってHMDから離して接続してください、延長コネクターのマジックテープ部分はHMDのストラップ横辺りに付けて大丈夫です。

Q.レンズの真ん中を見ているのにパキっと見えない

A.自動IPD調整の値が適正値ではないかもしれないので、設定項目から手動で調整してください。(HMD被る度に調整されてしまうので、自動調整自体をOFFにするのをオススメします)

随時気がついた点があれば追加していきますっ!

まとめ

設定さえ上手く出来て、安定した動作まで詰められれば非常に満足度の高い製品だと個人的には感じています。

レンズこそフレネルレンズですが、こちらは慣れで十分対応できる範囲で、それより無線接続時の安定性問題が個人的には鬼門でした…

最初はホント投げ出して、売却も考えたのですが、ちょっと辛抱して設定を頑張ったリターンはしっかりと感じることが出来ています!
今ではQuest3をサブ機にして、Vive Focus VisionでVRを楽しんでいますっ!

さて、只でさえ日本語の情報が少ない製品なので、ホント刺さる人に刺さってくれれば良いなと思いつつ記事を書き進めていきました。

ではでは、今回はここらで失礼しますっ。